コーチが不足しているように見えます。公式の指導者登録数は、増加傾向にあるようですが、指導現場の声はどうやら違っていて、深刻な状況に近づいてるように聞こえます。
コーチ不足の声
歩き回って聞こえてきた声を紹介します。
「コーチが足りません」
「優秀な若いコーチ、どこかに居ない?」
「いいコーチ紹介をしてくれませんか」
これらの声は小学年代、中学年代の民間サッカークラブやスクールの声です。そして、これらの声とは逆に、コーチが不足しているとの声をあまり聞かないのが、高校のサッカー部でした。
若いコーチはすぐ辞める?
いろんな話を聞くと、傾向として、若いコーチが辞めるまでの期間が短いことがわかります。
辞めるまでの期間は様々ですが、数週間から数ヶ月で辞めてしまうコーチも多いようです。一見すると、コーチ業に前向きで熱心に見えるコーチでも、突然、辞めたりすることもあります。
クラブの代表者と話をすると、少しその理由が見えてきます。
最終的には現場任せ
「ちゃんと給料を払っていても、いきなり辞めちゃう」とか「安くない指導料払ってるのに、他のクラブへすぐ移っちゃう」という声を聞きました。若いコーチに期待感を持っていても、いつ辞めるか心配という不安要素も少なくはないようです。
そこで、代表者や責任者に、クラブ方針やコーチ育成について伺った話をまとめると「定期的にミーティングはやるけど、最終的には現場任せ」です。もしかしたら、ここに若いコーチたちが辞めていく原因があるかもしれません。
最優先はやり甲斐
成長の積み上げを感じる工夫が必要だと思います。
積み上げを感じることは、昔も今も変わらず重要な要素ですが、積み上げていることを、より具体的に伝えることも大切なように思います。もちろん、できていないことや、こちらが望んでいないことを伝えることも重要で、「そんなことも分からないのか」という解釈は捨てるべきでしょう。
子どもたちの指導環境が変化する中、コーチの指導環境にも変化が求められる時代。若いコーチが成長を積み上げられるような、やり甲斐のある環境作りが、今の指導現場の最優先事項だと考えています。
若いコーチを閉じ込めないで
外との繋がりをよしとしない指導者も、一定の割合でいます。その理由は別として、若いコーチはフットワークよく行動させることが、クラブの発展にも繋がるはずです。
私たちの世代とは違い、若い人たちのネットワークはすごく広いです。そして、新しい情報を集める能力に長けている人も中にはいて、そこから新たなアイデアが生み出されることもあります。
その反面、その繋がりを伝ってクラブを去るのではという、心配事があるかもしれません。だけど、新たな情報はクラブにとって有益なものになり、想像以上の新たなやり甲斐を生み、コーチのモチベーションを高める原動力にもなるはずです。
コーチ不足はきっと解消できる
今回、私が感じたコーチ不足は、登録者数の増加傾向に隠れた重要な課題だと感じます。だけどこの見た目のコーチ不足は解消できるはずです。そのためには、先頭でリードするコーチが、これからの指導環境をしっかりと見据え、やり甲斐のある環境作りとネットワークの拡大が鍵になると考えています。
コーチの成り手を増やすための、私たちの努力が足りていません。もしかすると、この現状はスポーツ界に限った話でなく、教育分野にも同じことが言えるかもしれません。